cheffe japonaise 作家由希子さん (36歳)
子どもの頃からお菓子作りが趣味だった作家さん。短大卒業後、フランスで菓子職人になる道を選んだ。
フェランディ校で学び、当時クリストフ・ミシャラクがパティスリーのシェフを務めていたプラザ・アテネでスタージュをした。
「菓子作りから掃除に至るまで、一流の仕事を見ら れたのは今にもつながる財産です。特にミニャルディーズは宝石のよう。美しさに感動しました」。
パリに来て3年ほど経った頃、ジェラール・ミュロの菓子に出逢った。「食べたときの衝撃は忘れられません。素材の味、食感、味のバランスが秀逸で。何がなんでもここで働きたい! と思いました」。
ミュロで働き出してからは、 自分が好きなお菓子を作れる幸福感でいっぱいだったと いう。ここで年間を通じての仕事のオーガナイズの仕方も学んだ。
5年半働き、その後はピエール・ガニェールへ。「パティスリーと違って、レストランのデザートは季節の食材を自由自在に取り込んでいくのが魅力。シェフのその日のアイデアで皿がどんどん変わっていく現場を経験して、自分のインスピレーションを大事にすることを学びました」。
そして、3年半前にガニェールの同僚だったソフィーさんとともにパティスリー NANANをオープン。
コンセプトは あえて決めなかった。「素材と季節感を大事にしたお菓子をお客様に食べてほしい。だから、作るお菓子もその時に合わせて変わっていきます」。
着色料を一切使わないの は、素材の色合いを大事にしたいという思いから。
伝統的なフランス菓子の食材だけにとどまらず、最近では常連客のリクエストに答えて抹茶や胡麻など日本の食材も取り入れるようになった。
シフォンケーキも人気だ。
「自分自身にもお菓子にも、こうしなきゃだめ、と制限をつけずに、 ずっと変わり続けて、進んでいきたい」。
(恵)
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OVNI, お菓子も自分も、変わり続ける。juillet 2019